教育理念
田川カトリック幼稚園はキリスト教精神に基づき、よく配慮された環境の中で
保育者と子供の関わりにおいて自立心を養い、心身ともに健全で社会の中で適応
性を持って生活できるように育成します。
子供の中に秘められている尊い芽が神に創られた目的に沿って成長し、開花でき
るように子供の自由を尊重し、援けることに努めます。
豊かな英知も優しい愛も、健全な身体の育成も、幼児の時代から未来へと、しっ
かりとつながっています。このつながりを「つながりの教育」として、人間形成
の根本である幼児教育を通して、カトリックの愛の精神に基づく人間教育を目指
し、教育を進めてまいります。
幼稚園教育の重要性
幼児期の教育では、広い意味で家庭と幼稚園が手を取り合って、一人一人の基本
的な人格の形成を促すことが大切です。
幼稚園は家庭生活を基盤としながらも家庭で経験できない社会,文化、自然など
に触れる環境を提供し、幼児の自立に向けた基盤を育成する場です。
そして、幼稚園において幼児が遊びや保育の中で主体性を発揮し、同年齢,異年
齢の友達と交わり、社会性、協調性、責任感を少しずつ学び、生きる喜び、思い
やり、いたわり、感謝など(これら貴重な体験が生きる力の基盤となるので)を
味わえるために必要な環境と適切な援けを幼児一人ひとりに充分に与えられるよ
うに配慮することが何より肝心です。
教育方針と目標
(1)子供たち一人一人が神様から愛されていることに気づき、他者と自分を
大切にすることを学びます。
(2)基本的生活習慣を身につけ、一人一人の個性を伸ばし、自分で考え、行動
できる感性豊かな人に育てます。
(3)同年齢保育の中で同年齢児との関わりを持ち、他者への感謝と思いやりの
心を育てます。
(4)教具や遊具、自然に触れることにより、秩序感の敏感期、感覚の敏感期、
運動の敏感期を大切に見守り、知性への働きへと導きます。
子供の個性を伸ばし、同年齢保育により発達段階に応じた保育を行います。
<3歳児>
日々の生活習慣を徹底させ、仲間作りができるようにさせ、生活意欲を
高める。
<4歳児>
生活習慣の徹底を図るとともに、意欲ある生活態度が身につくように
援ける。また、年長者への尊敬と年少者へのいたわりの気持ちを涵養し、
仲良く交われるように育成する。
<5歳児>
年長者としての自信を持ち、年中・年少者の良き助け手として責任ある
生活態度が身につくように援ける。
<同年齢保育>
3,4,5歳児を別クラスに編成することによって、社会の中で自然な
形態である縦割りの家庭生活と集団生活との相関関係の中で真の人間味
が幼児期に吸収されるように横割りの形態で保育し、その中で、温かい
人格育成を助成する。
教師の役目
子供の中には自らを成長発達させるプログラムと力が備わっています。
ですから、大人がすべきことは、子供の発達段階や興味に応じて環境を整える
ことです。
幼児期にどんな人や世界に出会い、どのように生きたかが人間の土台となります。
その、よき手助けとなるよう努めます。
愛の教育
●カトリック幼稚園のカトリックとは、普遍という意味があり、全ての人、全ての
ものを大切にする愛というものを基本にしています。
●一人一人が持つ個性や能力を伸ばし、人への優しさと思いやりの心を育て友達と
関わって行く中で、幼いながらも上下のつながりを感じ、上の子は下の子の世話
を進んで行い、下の子は大きくなったら「世話をしてあげたい」と自然に思える
ような気持ちになります。
また、友達とたくさん遊ぶことにより、人との触れ合いの中で将来の人間関係の
基礎となる心を育てて行きます。
●子供たちの目の前に起こる様々な経験を通して色々な感動を味わい、より豊かな
心に成長します。このように穏やかな心,素直な心、優しい心など愛の心が人と
人をつないで行きます。
家庭や地域社会と連携を図り子供たち一人一人が自分の持っている力を十分発揮
できるよう環境を整え、神様と自分の周りにいる人にいつも「ありがとう」と
いえる子供に育てて行きます。
命の教育
●登園には緑の庭が広がり、遊び回れる小高い山があり、春になると小山には筍が
育ちます。
子供たちは筍掘りを楽しんだ後、家に持ち帰り家族で自然の恵みに感謝して、
いただきます。
また、一枚一枚皮をはぎ捨てながら成長してゆく青竹の様子を観察しながら「先生、
見て、すごいね」と見入り、瑞々しい黄緑色をした青竹に触れています。
産毛がうっすら生えていて柔らかさが手のひらに伝わり、成長すること、生きる
ことを感じとります。
●土筆や蕨も見つけることができます。夏は蝉たちが木々を飛び交い忙しく羽を震わ
せています
蝉の抜け殻を見つけた喜びに始まり、虫取り網で追いかけ、命をまっとうし、朽ち
果てた死骸をいとおしく手にし、子供なりに何かを感じているようです。
この子供たちの様子に対し、私たち教師は「一生懸命、生きたんだね」と声を掛けます。
このように自然からチャンスを貰い、命を大切にすることは勿論、命を慈しみ尊ぶ心を
養って行きます。
心の教育
「心は働かないかぎり、そのありかが分からない」 ・・・ トーマス・マートン
心の教育は、心が最も感受性に富んでいる時に始めなければならないと考えられています。
教育と訓練という働きは、子供が幼児の頃から始めなければなりません。
なぜなら、この頃は心が最も感じやすく、与えられた教訓が記憶に残ると思われるのが
幼児期だからです。
●色々な教具や遊具に触れ、五感に与えるものを心で脳に感じ取り、教具等を通して
グループ活動をすることにより、友達が考えるのに時間を要した時「早くして欲しい」
と思っても「一生懸命考えているから待ってみよう」と感じ、思う「心」が芽生えてき
ます。
●神様の教えを通して異年齢、同年齢の友達と触れ合う中で、姿・形が違うように、皆が
自分と同じ思い考えでないこと、それらを理解しようとする「心の働き」が養われてき
ます。
両親には愛され、常に見守られていること。また、自分の周りにはたくさんの人達が関わ
り、大切にされていることを、祈りの折々の中で感謝し「自分を大切に思う心」を養って
行きます
愛の教育・命の教育・心の教育は人間として、人格を持つものとして、一つにならなけれ
ばならないと考え育てて行きます。